経理の業務にはどんなスキルが必要?税理士に任せるのはあり?
会社を運営していくうえで経理処理は必ず発生する業務です。経理処理するために必要な知識は3つあります。この記事では経理業務のために必要な知識や、経理業務を税金の専門家である税理士に任せる際のポイントやデメリットについて解説します。新しく経理業務をする方も、今まで経理業務をしてきた方も参考にしてみてください。
経理に最低限必要なスキルとは
経理に必要な業務は数多くありますが代表的なものは「簿記知識」「Excel」「コミュニケーション能力」です。
経理業務にあたって簿記や会計基準といった経理業務に関する知識が必要なため、簿記資格をとりながら実務経験を重ねていくことが大切です。さらに税務知識についても習得すると企業の決算書を作成でき、会社の納めるべき税金の計算もできるため貴重な人材になれます。
また経理業務は会社のすべての部門と関わりながら仕事を進めていくため、ほか部門の人ともうまく調整しながら仕事を進めることができる人材が必要です。さらに、複雑な会計基準や海外の取引先や子会社とのやり取りのため使う英語、プログラミングなどのITスキルを身につけることでステップアップが可能です。
経理業務は税理士に任せてもいいの?
税金の専門家である税理士と顧問契約を結ぶのであれば経理業務を任せることも可能です。税理士に経理業務をまかせることのメリットをみていきます。
本業に集中できる
経営者自身が経理業務をする場合、本業の合間に作業することになります。経理経験がないとミスをしがちなため、経理処理の時間をとられることになります。
しかし税理士であれば安心して経理業務をまかせることが可能です。また経理担当者を雇う必要もないため人件費の削減にもつながります。
財務管理・資金繰り・融資などの相談もできる
税理士に任せた場合、正確な数字がでるため財務管理もしっかり行われることになります。そのため経費削減する部分、どれくらい融資が必要か、返済のアドバイスをもらうこともできます。
その結果経営管理としての経理が可能になります。
税務調査委に立ち会ってもらえる
毎月の経理内容の調査委である税務調査に立ち会ってもらうことで、さまざまな質問に明確に答えてもらえます。
税理士に任せた場合デメリットはある?
税理士にまかせた場合のデメリットもあるのでみていきます。
事業数値を社内で把握できなくなる
各部署の事業数値はそれぞれ把握していても、会社全体の事業数値、売上・費用・利益などについては経理が把握しています。税理士がまとめた資料をみれば数値の把握はできますが、そこに至るまでの背景などがわからずに綿密な経営計画をたてられなくなってしまいます。
税理士事務所を切り替えにくくなる
税理士に経理業務をお願いする場合、ほとんどの場合が税務面の顧問契約とセットでの依頼が想定されます。経理処理に不満を感じても顧問契約している以上、経理処理のみ別の税理士にお願いしづらい状況となります。
顧問料にプラスして費用がかかる
税金のプロである税理士にお願いをする場合は相応の費用がかかることが想定されます。経理担当の社員を雇うよりも高い費用となるでしょう。また社内の人間であれば経理のノウハウが蓄積され会社の将来への投資にもなりえますが、税理士に支払う場合は「費用」となります。
このように税理士に経理をお願いする場合はメリット・デメリットがあるので、充分に検討したうえで決めることが大切です。
経理として税理士を利用する際のポイント
税理士に頼むには費用もかかりますが豊富な専門知識をもった税理士に経理をまかせるメリットもあります。税理士に依頼する際のポイントについてみていきます。
税理士への依頼内容は明確か
税理士への依頼内容として主に次の4つがあげられます。税務相談・会計相談、税務申告の代理・税務調査の立ち合い、税務書類の作成、財務面のコンサルティング。すべての業務を依頼する必要はなく、経理として税理士の力を借りたい分野のみ頼むことで業務が明確になります。
また依頼内容を明確にすることでお互いの認識の違いをなくすことができ、税理士とよい関係を築くことができます。依頼内容を明確にすることは税理士を利用する際の大切なポイントです。
社内で処理できないか
社内でできる経理処理を大した理由もなく税理士に頼むと、後からなぜ税理士に依頼したのかといってくるひとがいます。
そうならないためにも事前に、なぜ依頼するのか、社内の人間で処理できないかといった点を確認しておくべきです。社内で経理処理できる人材を育てることは経理部全体としてもノウハウが蓄積されスキルアップにつながります。
セキュリティ対策
経理業務を税理士に依頼するということは会社の機密情報を共有することになります。万が一情報漏洩が発生したら信用問題になるので、依頼する側も依頼される税理士も細心の注意を払う必要があります。守秘義務を徹底し、連絡を密にとってくれる税理士を選ぶようにしましょう。
まとめ
会社を運営していくうえで避けて通れないのが経理業務です。社内の特定の人間しか業務内容を把握していない場合、急な病気や用事でその人が休んでしまった場合誰も業務ができないという状況になることもあります。
税理士に頼むことで業務の「属人化」を防げます。それなりのコストはかかりますが本来やるべき業務に集中できるなどのメリットもあります。それぞれの状況を見ながら適切な判断をしていってください。