税金が払えない!払えないときは誰に相談したらいいの?

公開日:2023/02/15  


会社員や公務員の方であれば所得税や住民税といった税金は給料から天引きされているので税金について心配する必要はありません。しかしコロナ禍以降、自営業者やフリーランスの方々が昨年度よりも大幅に収入が減ってしまった影響で税金が払えない事態が発生しています。今回は税金未払い問題について詳しく解説します。

税金を納めないとどうなるの?滞納するリスクとは

まず基本的な考え方ですが、納税とは法律で定められた国民の義務であるということです。なにかしらの事情がない限りは納付期限内に決められた税金を納めなければなりません。所得税に関して期限内に納税できない場合には滞納という扱いになり、滞納税として最大で年14.6%というかなり厳しい罰則が課されます。

本来納めるべき税金(滞納金)と未納期限に発生する延滞金が合算して請求される事となりますが、翌日から納期限後1か月は年7.3%を上限に、それ以降は年14.6を上限として適用される割合で計算されます。

ただし、税金を「払わない」と「払えない」では扱いが大きく変わります。意図的に払わない=「脱税」、諸事情により支払えない=「滞納」「未納」という扱いで処理されますがどちらにせよ税金滞納に対する罰則を受けることになります。

税金滞納に対する罰則

税金を滞納するとどのような罰則があるのでしょうか。

・督促状が届く

所定の納期限までに税金を支払わなかった場合には、税務署から督促状が送られてきます。未納の税金に対する延滞税も含めた額が督促対象となります。当然ですが延滞税は経費とはなりません。

・財産の差し押さえ

督促状が届いているにもかかわらず、支払いをしなかった場合には財産を差し押さえられるなどの厳しい処分を受けることがあります。その場合には税務署によって財産調査が行われますが、差し押さえとなる対象は「不動産」「預貯金」「生命保険」などになります。

このように財産を差し押さえられてしまうと自ら売買できなくなり、競売にかけられて得られた金額については未払分に自動的に充てられることになります。

・納税発行書が発行されない

会社員の方には馴染みがないかもしれませんが、銀行などで融資を受ける際などには必要な書類となります。これも当然ですが、滞納者には納税証明書が発行されませんので事業の継続・拡大が厳しくなるでしょう。

払えないときはどうすればいいの?

いわゆる「脱税者」については今すぐ支払う以外に選択肢はありませんが「滞納者」「未納者」などのどうしても税金が期限内に支払えない方については「延納」「猶予制度」などといった制度を利用して税金の未払い分を分割払いにできます。

延納の利用方法

延納を利用する方法としては納税期限(3月15日)までに所得税額の1/2以上を納付する事と、申告書に延滞届出額を記入するといった手続きが必要となります。延滞届出額とは「納める金額」-「申告期限までに納付する金額」で算出できます。

ちなみに延納期間中は年7.3%、または特例基準割合のいずれかの利子が低い方の利子税がかかります(実際には特例基準割合の方が低く、年4.5%前後)ので注意が必要です。

猶予制度の利用方法

猶予制度とは一時に納税をすることにより事業の継続・存続が難しくなる、または生活活動が困難になる場合や、災害で家などの財産を損失した場合など特定の事情がある場合には納税が最大1年間猶予される制度になります。

この猶予制度は免除でも軽減措置でもなく原則として、猶予期間中に分割して納付するもので、猶予制度の種類として「納税の猶予」と「換価の猶予」があります。

・納税の猶予

病気やケガ、盗難や災害、事業の廃止や事業で発生した大きな損害などの理由があった場合には税金の全部または一部の徴収を納税の猶予として認められる可能性があります。

・換価の猶予

差し押さえられたご自身の不動産などの財産について売却を猶予するというもので、一括納税することで生活に支障が出る場合や、納税によって事業が継続できない場合には最大1年間は換価の猶予として認められる可能性があります。

払う意思を見せることが大切!無申告にならないためには

納税ができない方の中には払う意思はあるが払えない状況の方が大半だと思います。税務署からいくら催促の連絡があったとしても、ない袖は触れないのが現実ですが、ここではしっかりと支払う意思があることを伝えましょう。税金を払えないからといって逃げたり放っておいたりすると、問題が大きくなることになります。

また、税務署に相談する際には信用が必要となるので、安易に返済の約束をするのではなく現実的な返済プランを相談するようにしてください。先述した通り逃げる、放置といった「無申告」は無申告加算税や延滞税が生じてしまいます。

さらに、納期限を過ぎれば過ぎるほど返済額が増えるので非常に重い罰則となるでしょう。こういった罰則を避けるためには払う意思を申告する必要がありますが、なるべくなら税務署に指摘されてからではなく、自主的に申告した方が罰則を軽減できます。もしも未納が確定してしまった場合には、税理士などの専門家に相談した上で一刻も早く申告をするようにしてください。

まとめ

日本では労働者の大半が会社員として働いておりますが、労働力調査では2020年就業者数約6,676万人のうち自営業主や家族従業者数は約666万人となっています。また、この就業者の約90%は雇用者であることから日本の全就労人口に占める自営業主の割合は10%程度であることがわかります。こういった背景から日本人が税金に対しての関心が低いことが伺えますが、一方でフリーランスという働き方も近年注目されるようになってきています。この日本でもすでに終身雇用神話が崩壊しつつあり、新たな働き方が見直されてきております。今、会社員として働いている方でもいつご自身の会社が倒産して無職になるかもわかりませんので準備をしておくということが今後非常に重要になるのではないでしょうか。

おすすめ関連記事

サイト内検索

【NEW】新着情報

税理士に確定申告の依頼をする場合、その費用相場を知ることは重要です。依頼する業務内容や税理士の経験によって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度です。本記事では、この相場の決定要因や
続きを読む
個人事業主が税理士に依頼することには、業務の効率化や専門知識の活用によるメリットがあります。しかし同時に、費用負担やコミュニケーションの課題も懸念されます。この記事では、税理士へ依頼するメリ
続きを読む
税理士選びは企業経営において非常に重要です。しかし、適切な税理士を見つけるには、自身のニーズを理解し、探し方を知る必要があります。この記事では、失敗を避け、最適な税理士との出会いを果たすため
続きを読む