税理士事務所と税理士法人・会計事務所・会計士事務所の違いを解説

公開日:2022/11/15  最終更新日:2022/11/07

税理士事務所、税理士法人、会計事務所、会計士事務所、とよく似た名前がたくさんあります。「いったい何が違うの?」「どこに頼めばいいの?」と思いませんか。ここでは、税理士事務所を、会計事務所・税理士法人・会計士事務所の3つと比べながら違いを解説します。違いがわかれば、事務所を選ぶときに役立つでしょう。

税理士事務所と会計事務所は同じ

サービス自体は税理士事務所と会計事務所も同じです。どちらも税務サービス以外に会計や経営にかかわるサービスをしています。税理士事務所と会計事務所の違いは呼び名であって、どちらの名称でも、提供している業務は同じです。

提供サービスは同じ

税理士事務所と会計事務所は、どちらも扱うサービスは税理士による税金関連のサービスと会計に関わるサービス全般です。税理士が行う税務の相談や申告書の作成など税金関係のサービス以外に、記帳代行や決算書の作成、経営コンサルティングなど会計や経営に関わるサービスなど幅広く行っています。クライアントにとっても、税金のことを聞くなら、関連している会計や経営の相談も同じところに頼みたいものです。

税理士事務所も会計事務所も税金や会計関連のサービスを提供しています。事務所の強みとするサービスが、自分の求めるものと合っているか確認しましょう。

事務所名の意味は同じ

税理士が設置しなければならない事務所は税理士事務所と称すると、税理士法第402項にあるため、税理理士の開設する事務所は税理士事務所になります。一般的な呼び方が会計事務所といえるでしょう。会計事務所にする場合は、税金以外の会計サービスも専門的に扱えますよ、というアピールも考えているかもしれません。名称は違いますが、サービス内容に目を向けると、税理士事務所も会計事務所も同じです。

税理士事務所と税理士法人の違い

税理士事務所と税理士法人の違いは、組織の形です。税理士業務としては同じでも、組織の形態の違いから規模が変わり、サービス内容も違ってきます。

組織の違い

税理士事務所は税理士が個人事業主として経営する組織、税理士法人は税理士が2人以上集まり共同で経営する法人です。個人か会社か、とイメージするとよいでしょう。税理士法人が設立できるようになったのは2001年の税理士法改正によるもので、税理士業務をチームでシステマチックに行えるようになりました。

税理士法人の利点

税理士法人は代表となる税理士2人以上で設立するため、一人の税理士が事故や病気で倒れて業務ができなくなっても、ほかの税理士により業務が続けられるのがメリットです。

また、支店を持てることもポイントになります。税理士法人なら税理士がいることを条件に支店がつくれます。税理士事務所は2つ以上の事務所を持てませんが、支店のある税理士法人なら、クライアントにとっても便利ですね。

業務内容の違い

税理士事務所も税理士法人も、提供サービスが税理士業務なのは同じですが、サービス内容に違いが生じます。税理士事務所は、ほかの税理士やスタッフがいても少人数で規模は小さいです。業務は得意分野を中心に、人数的にも対応できる範囲の案件になります。

税理士法人は、税理士やスタッフがたくさんいるので、さまざまな分野や時間のかかる大規模な案件、国際税務や事業再編などの複雑で深い知識が必要なエリアもチームを組んで引き受けることができます。

税理士事務所と会計士事務所の違い

税理士事務所と会計士事務所の違いは、所長の保有している資格にあります。所長の資格が税理士か公認会計士かで事務所の名前も変わるのです。資格が異なることから、業務内容にも違いがあります。

資格の違い

事務所のトップである所長の保有資格が税理士か公認会計士かで、事務所の名前が異なります。トップが税理士なら税理士事務所、トップが公認会計士なら会計士事務所です。税理士も公認会計士も国家資格で、資格をとって登録をしないと名のれません。公認会計士は税理士登録ができるので、税理士登録をすませた公認会計士は税理士事務所も名のれます。しかし、公認会計士は、保有資格から会計士事務所にすることが多いです。

提供サービスの違い

税理士事務所なら、税理士の独占業務である税務代理、税務書類の作成、税務相談を行います。税務申告書の作成や申告書を代理で提出したり、納税の相談を受けたりするなど、クライアントが納税を適正に行うためのサポートです。

会計士事務所の場合は、税務関連のサービスを行っているとは限りません。所長の公認会計士が税理士登録をしているとは限らないからです。公認会計士の多くは、監査業務を経験した後に独立して会計士事務所を開きます。会計や経営のコンサルティングなどの監査業務の経験が活かせる業務をサービスの中心にして、税務関連サービスはやっていないこともあるのです。

まとめ

税理士事務所と税理士法人・会計事務所・会計士事務所との違いを解説しました。税理士事務所と会計事務所のサービス内容は同じで、どちらも税金関係のサポート以外に会計全般のサービスもしています。税理士法人は税理士事務所より大きく、時間のかかる難しい案件にも対応できるのが特徴です。会計士事務所は、業務内容に税務関連のサービスがない場合があることに注意です。税理士事務所などに依頼するときは、事務所の名称ではなく、サービス内容や得意分野、サポート方法をみて、合うところを探しましょう。

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