正確さが重要!?領収書の書き方・収入印紙のルールについて

公開日:2023/05/15  最終更新日:2023/04/05


現金の取引があったとき発行される領収書ですが、書き方の明確なルールがよくわからない方もいるのではないでしょうか。この記事では領収書の基本的な書き方や役割、収入印紙が必要な場合と注意点を解説します。2023年10月から導入されるインボイス制度における領収書の変更点についても合わせて解説します。

領収書とは?領収書の役割について

ここでは領収書の役割と基本的な書き方を解説します。あわせて 2023年10月から導入されるインボイス制度(適格請求書等保存方式)における領収書の変更点についても解説します。

領収書の役割

領収書は、商品やサービスを提供した対価としてお金を受け取った事実を証明する書類です。すでに金銭の授受が完了している事実を証明することで、請求の重複や二重払いのミスを防ぐ役割もあります。税務調査の際に、領収書を提示することで売上金や経費があった事実を証明することも可能です。社内の経費精算においても従業員の不正を防止し、管理体制をととのえる役割も持っています。

領収書の基本的な書き方

領収書には必ず記載しなければならない項目があります。「領収書」の文字、宛名の名称、金額、但し書き、発行者の住所・名称、取引年月日です。

受取金額が5万円以上(税抜)の場合は収入印紙の貼り付けと割印が必要です。宛名は省略せず正式名称を記載しましょう。金額は3桁ごとにコンマで区切り、金額の先頭には「¥(円マーク)」か「金」を記載、末尾には「※(米印)」・「‐(ハイフン)」を記載するのが原則です。金額の前後に記号を入れるのは改ざん防止への対策からです。

但し書きは「お品代」といった曖昧な表記ではなく「飲食代」「交通費」など具体的な記載が望ましいです。なぜなら、会社の経費精算で領収書が必要な場合、使いみちを明確にして経費で計上可能かを判断するためです。

インボイス制度における領収書の変更点

2023年10月1日からインボイス制度が導入されることに伴い、領収書の記載項目や書き方に変更があるので注意しましょう。

インボイス制度では、売り手が買い手に対して正確な適用税率や消費税額等を伝える目的もあります。そのため、従来の領収書の内容に加えて「適格請求書発行事業者の登録番号」・「異なる税率ごとに区分した消費税額と適用税率」の記載が求められます。

これらの記載から、領収書がインボイス制度における証明書類となります。現金取引が異なる税率に分かれているときは、内訳を分けて表記しなければなりません。たとえば軽減税率8%の商品が税込5万4,000円、税率10%の商品が税込11万円の売上だとすると、領収書の表記は「8%対象 5万円」と「10%対象 10万円」と分ける必要があります。さらに各税率での消費税額についても明記が必要です。

収入印紙のルールとは?注意点も解説!

収入印紙は、受取金額が5万円(税抜)以上で紙の領収書を発行するとき貼り付けが必要です。領収書に収入印紙を貼って割印することで、印紙税の納付が完了します。印紙税とは国が定める「印紙税額一覧表」にある、用紙を使った文書へ課される税金です。ここからは領収書に収入印紙を貼る際のルールと注意点について解説します。

領収書に収入印紙が必要なケース

印紙税法上、受取金額が5万円(税抜)未満は非課税文書、5万円(税抜)以上は課税文書と定められています。課税文書になる領収書へは収入印紙の貼り付けが必要です。気を付けたいのは、税込みだと5万円を超えるが税抜きでは5万円未満になる場合は非課税になります。

ただし、領収書に税抜き価格と消費税額を明記することが条件です。領収総額の記載だけでは非課税が認められず、過怠税を課せられることもありますので注意しましょう。

領収書に収入印紙が不要なケース

受取金額が5万円(税抜)未満以外にも、5万円(税抜)以上で領収書へ収入印紙が不要なケースがあります。電子領収書は用紙を使った文書ではなく、課税文書の条件に当てはまらないため収入印紙は不要です。またクレジットカードで支払われた場合は、但し書きに支払方法を明記することを条件に、金額に関わらず収入印紙は必要ありません。

領収書に収入印紙を貼るときの注意点

収入印紙の税額は受取金額によって定められ、国税庁からの印紙税額一覧で確認できます。該当する税額の収入印紙を領収書に貼り付けた後、収入印紙と領収書の双方に掛かるように割印します。割印は認印またはボールペンで手書きのサインでも有効です。

ただし、割印を忘れると過怠税が課せられるケースがあるので注意しましょう。

領収書の正確さが重要!困ったときは税理士に相談しよう

領収書と収入印紙についてここまで解説しましたが、税務に関することは煩雑で分かりにくく、手続きや届け出について日々悩んでいる方も多いと思います。社内で相談しようにも税務に詳しい人がいないことや、個人事業主の方はすべての手続きをご自分で行うことに限りもあることでしょう。

そういったとき顧問税理士に税務に関する困りごとを相談するのもひとつの手段です。

まとめ

この記事では領収書の書き方・収入印紙のルールと作成時の注意点について解説しました。2023年10月からはインボイス制度が導入されることで、領収書の書き方への変更点もあります。また領収書や収入印紙の取り扱いといった税務に関することは複雑でわかりづらいことから、顧問税理士への相談を検討されるのもよい手段でしょう。この記事が領収書や収入印紙を取り扱うときの参考になると幸いです。

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