記帳代行をアウトソーシングするメリット・デメリット
帳簿の作成を代行してくれる便利な記帳代行サービスですが、もしも依頼をする場合、踏まえておくべきデメリットはあるのでしょうか。帳簿を代理で作成してくれる魅力的なサービスである記帳代行について、この記事ではそのメリット・デメリットについて解説します。ぜひ記帳代行を検討する際にお役立てください。
記帳代行とはどのようなサービス?
まず、「記帳代行」とは具体的にどんなサービスなのでしょうか。事業を経営していく場合、正しい税務処理を行い、申告を行う必要があります。平成26年にはかつては義務付けされていなかった白色申告も記帳・帳簿保管が必要となり、日頃から記帳を厳しく管理することがより一層求められるようになりました。
記帳自体は難しい実務ではなくても、毎日記帳を管理して正しく帳簿を作成することは本業を圧迫する可能性もあり、新たな経理担当者の雇用を迫られている経営者も増加しています。
しかし、記帳代行サービスを利用すると必要な売掛・買掛金の管理や帳簿への記入はもちろんのこと、簡潔な書類管理なども代行してくれるので新たな人材を雇用する必要がありません。人的コストの増加を外注によって防ぐことができるため、記帳代行は便利なサービスをして注目を集めているのです。
記帳代行をアウトソーシングするメリット
記帳代行は利便性も高く、税務代行などのサービスと比べると安価なため利用者が増加しています。では、会社の大切な数字管理である記帳部分についてアウトソーシングをする場合には、どんなメリットが得られるでしょうか。メリットは大きく分けて3つ挙げられます。
まず1つ目は正確性です。経理担当者が居ない場合、日々の記帳関係の業務に苦戦しているのではないでしょうか。正しい帳簿の作成は会社の数字を管理する上で非常に重い業務であり、簿記知識や会計に不慣れの場合には抵抗感のある作業です。記帳代行をアウトソーシングするとプロのスタッフが記帳代行を担ってくれるので、正確性も高く安心感を得ることができます。
2つ目のメリットはコストです。記帳代行の業務が多くても、経理担当者を新たに雇用する場合には人的コストが増加します。しかし、アウトソーシングなら月々の契約費のみで記帳代行部分を一式外注できるので、会計関係の人材を増やす必要がありません。また、人的コスト以外にも簿記・会計関係のソフトの導入コストも減らすことができます。
3つ目のメリットは客観的な数字管理が可能になる点です。プロの目線で記帳代行を丁寧に整えてくれるので、客観的な帳簿管理が可能となります。記帳代行は社内の数字を外部に見せることになるため抵抗感がある方もおられますが、第三者によって記帳が管理されることで冷静に数字を見つめられる効果があります。
記帳代行業者によっては有資格者であれば、そのまま税務申告に関するサービスも受けられます。納税や給与などの処理に関してのアドバイスも受けられます。
記帳代行をアウトソーシングするデメリット
では記帳代行に関してアウトソーシングをするデメリットはどんな点があるのでしょうか。デメリットも3つ挙げることができます。
まず1つ目は業者の能力にばらつきがあることです。記帳の必要性の高まりから多くの会社が記帳代行を探している今、会計分野にはさほど精通していない業者も参入してきています。
もちろん、こうした業者の中にも優れた専門知識を持ち、有資格者のスタッフも多いですが、純粋に記帳だけを行う業者もいます。業者の能力や力量にはばらつきがあるため、安心できる確かな業者を見つける必要があります。
2つ目のデメリットは記帳能力が育ちにくくなることです。忙しい本業に集中するためには、面倒も多い記帳分野をアウトソーシングすることには大きなメリットがあります。
しかし、記帳に関する知識を蓄えないまま外注をしてしまうと、記帳の実務自体がわからないままになります。大切なお金の流れを管理する帳簿ですから、記帳分野に関してはアウトソーシングをしても勉強はしておく事が望ましいのです。
最後に3つ目は税務対策が遅れやすいことです。記帳分野を外注すると数字が明瞭に管理できますが、帳簿ができ上がってくるのがおおよそ月に1回です。すると、然るべき税務対策を講じる際に遅れる可能性があります。
税理士がサポートする記帳代行業者に依頼する場合は税務対策についてもカバーしてくれますが、帳簿の作成・記帳だけをメインにしている格安業者の場合には税務に関するアドバイスまでは行っていません。然るべき税務対策はやはり顧問税理士などに相談する必要があるので、記帳代行のメリットを感じにくい場合もあるのです。
記帳代行のメリット・デメリットを紹介しました。記帳代行には新たな業者が参入しており、月々の契約金額も割安で依頼できる場合もあります。一方で、カバーしてくれる業務には限りもあるので、今自社に合ったサービスは何か、メリット・デメリットを踏まえ冷静に見極めてから依頼をするようにしましょう。