遺産相続はトラブルになりやすい!家族会議で話しあうべきポイントは?
遺産相続には、トラブルがつきものです。「誰がどれくらいの遺産を相続するのか」「この人に遺産の相続権はあるのか」「住宅や土地は誰が相続するのか」など、考えただけで頭が痛くなる議題が目白押しです。そこで今回は、遺産相続でトラブルを防ぐために、生前の家族会議で話しておくべきポイントを詳しく解説します。
遺産相続のトラブルを避けるには生前の家族会議が重要になる
遺産の相続時に思わぬトラブルが起きることは決して少なくありません。家族間の関係にかかわらず、遺産分割や財産の引き渡しについて意見が食い違うことは多く、調停や裁判を必要とする場合もあります。そのため、生前に家族全員で会議を開き、自身の考えや希望を共有することが重要です。
また、もし将来判断能力が低下した場合、思いどおりの遺産分割ができなくなる可能性もあります。そのため、元気なうちに話し合いを重ね、遺言書を作成しておくといいでしょう。これにより、予期しない事態に備え、親も子も安心して相続にのぞむことができます。
家族会議の前の準備と確認ポイント
遺産相続を議題とした家族会議を円滑に進めるためには、事前の準備と確認が重要です。
法定相続人の確定
まず最初に行うべきは法定相続人の確定です。法定相続人とは、被相続人(亡くなった人)の財産を相続する権利がある人のことで、戸籍謄本を用いて確定します。被相続人の配偶者は常に相続人となり、そのほかの相続人は順位が定められています。
第1順位は被相続人の子ども、第2順位は被相続人の父母や祖父母(直系尊属)、第3順位は被相続人の兄弟姉妹です。この確定作業をおこたると、話し合いがスムーズに進まない可能性があります。
財産・収支を把握する
次に、現在保有する財産や月々の収支を詳細に把握することが求められます。遺産分割を考える上では、財産の全貌を明らかにしないと具体的な議論ができません。それだけではなく、生活費や介護費用の計算も困難になりやすいです。財産には現金や預貯金、有価証券、不動産、不動産上の権利、自動車、貴金属、骨董品、損害賠償請求権、著作権などが含まれます。
また、収支としては収入や食費、住居費、水道光熱費、保険医療費、交通費、通信費、教養娯楽費などが含まれます。これらをリストアップし、現在の経済状況を正確に理解することが必要です。
今後の希望・不安を整理する
さらに、今後の希望や不安を整理しておくことも大切です。自身がどのような過ごし方を望んでいるかについて、遺産分割に対する考えを明確にしておくことで、家族間での認識の違いを減らせます。この作業は、単に家族に意思を伝えるだけでなく、自分自身の人生を振り返るよい機会になるでしょう。
内容の整理が難しい場合は、終活ノートの活用もおすすめです。これにより、必要な情報や想いを簡潔にまとめられます。
家族会議で話し合うべきポイント
円満な相続を実現するために、家族で以下の4つの内容について話し合いましょう。
財産状況と分け方
まずはすべての財産状況を明らかにし、どの財産を誰にどの割合で引き渡すか、家族全員で協議しましょう。財産には、現金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金や未払金などのマイナスの財産も含まれます。不満が生じないよう希望を共有し、話し合った内容を遺言書に記載しておくとスムーズです。
生前の相続税対策
遺産総額が基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を超える場合は、相続税が課されます。そのため、生前から対策を講じることをおすすめします。生命保険の非課税枠や生前贈与、小規模宅地の特例などを活用し、できるだけ早く税理士に相談することが重要です。
また、次世代の相続も考慮した財産分配も、将来的な負担軽減につながります。
介護に関する希望
介護に必要な費用の目安は、500万円前後とされています。そして、在宅介護か施設入所かなど、希望を具体的に伝えることが大切です。介護が必要になった際に誰がどのように支援するかを決め、負担がかたよらないよう調整します。介護に関する合意を事前に得ておくことで、トラブルを未然に防げます。
葬式・埋葬方法
自身が亡くなった後の葬式や埋葬方法についての希望も事前に伝えておくべきです。どのような葬式を行うか、参列者や埋葬方法の詳細を決めておくことで、家族が困らずに対応できます。
また、相続人が負担した葬式費用は遺産総額から控除可能なため、その点も考慮しましょう。
相続税に関する相談なら税理士がおすすめ!
遺産相続や相続税の相談は、税理士にするのがおすすめです。税理士事務所では、お客さんの状況に応じた最適なサポートを提供してくれます。相続発生前の相談の場合は、事前の対策により相続税を軽減する方法や具体的な額について丁寧に説明・提案してくれます。後悔を避けるためにも、遺産相続や相続税に関する悩みは早めに相談しましょう。
まとめ
遺産相続には、トラブルがつきものです。そのため、生前の家族会議が重要です。財産分割や相続税対策、介護の希望、葬式・埋葬方法などの重要なテーマについて家族全員で話し合い、遺言書にまとめることで安心して相続を進められます。法定相続人の確定や財産・収支の把握、希望や不安の整理を事前に行うことも円滑な会議にするために大切です。さらに、生前からの相続税対策や介護負担の公平な分配を話し合うことで、家族全員が納得できる形を目指しましょう。また、税理士の専門サポートを活用することで、相続に関する不安や負担を軽減しつつ後悔のない相続準備が可能になります。相続のトラブルを避け、家族の絆を守るためにも、早めの準備と相談が大切です。